エシカル食品とは? 定義や注目されている理由など

エシカル食品とは? 定義や注目されている理由など

私たちが口にする食べ物について、これまで耳にしたことのない概念が生まれ、広まっていくことがあります。「エシカル食品」も、そのひとつではないでしょうか。

聞いたことはあるという方も多いかもしれませんが、エシカルとはどういう意味なのか、なぜこのような概念が生まれてきたのかはご存じでしょうか。この記事では、エシカル食品にスポットをあて解説します。

 

エシカル食品の基本的な定義

「エシカル」は、それだけの単語としても使われる言葉ですが、「エシカル食品」のように、ほかの単語と組み合わせて使うケースもよくあります。ここでは、エシカル食品という言葉の定義を確認しておきましょう。

エシカル食品とは?

はじめに、「エシカル」の意味についてです。

エシカルは、英単語「ethical」に由来し、「倫理的な」という意味で使われます。つまり、エシカル食品を直訳すると「倫理的な食品」となるわけですが、次に浮かんでくるのが「倫理的な食品とは?」という疑問です。

「倫理」という言葉にもさまざまなとらえ方がありますが、「エシカル」に関しては「地球環境、そこで生きる人や動物も含めた社会全体への配慮」という意味合いで解釈するとわかりやすくなるでしょう。

まとめると、エシカル食品とは「環境、人や動物、社会全体に配慮している食品」といえます。最近、市場でも目にする機会が増えてきた言葉です。

エシカルとサステナブルの違い

現代社会では、地球環境のこれからや人々の健康的な生活を見据え、多種多様な提言がなされています。「サステナブル」もそのひとつですが、エシカルと混同されることも少ないようです。この機会に、両者の違いも確認しておきましょう。

エシカルの意味は、先ほどもお伝えしたとおり「地球環境、そこで生きる人や動物も含めた社会全体への配慮」です。

サステナブルは、英語で「sustainable」と書き、「持続可能な」という意味になります。背景にあるのは、地球環境の悪化、資源の枯渇、人口増加問題など。何か対策をしなければ、地球に明るい未来はないだろうと予測されています。そういったあらゆる問題に対処し、これからも持続できる社会を目指そうという趣旨で使われるのが「サステナブル」です。

こうして比較すると、エシカルもサステナブルは、現代社会の問題点から生まれたという点では同じですが、意味するところは異なることがおわかりいただけるのではないでしょうか。

ただ、相容れない概念というわけではありません。エシカルを考えるときにはサステナブルが関連することもありますし、逆のパターンもあることは、念頭に置いておきたいところです。

エシカル食品の生産背景

 

次に、どういう理由でエシカル食品が生産されるようになったのか、その背景に注目してみましょう。

環境や社会への配慮

日本に限らず今の地球には、自然環境や労働環境の改善など、解決しなければならない問題が山積みになっています。エシカル食品は、食べ物に関するそれらの問題を「配慮」というかたちで解決することを目指して生産されるようになりました。

具体的に挙げると「環境」「社会」への配慮です。それぞれについて、解説します。

まず「環境」です。

環境については、かなり前から地球温暖化、海洋汚染、森林伐採による砂漠化といったことが世界的にも問題視されてきました。その対策として、CO2(二酸化炭素)の削減、水質改善などの取り組みもおこなわれています。しかし、そもそもは、私たち人間が地球環境のことを気にすることなく、経済発展や生活の利便性を優先したことが原因のひとつです。

環境に影響を及ぼす食のあり方としては「大量生産・大量消費・大量廃棄」も、昨今の大きな問題となっています。生産のために地球資源が使われ、消費のためには輸送のエネルギーが使われ、大量に余ったものを捨てる――このサイクルを見直さなければ、地球環境の悪化は免れないでしょう。エシカル食品は、そういった状況を変えるために生産されるようになりました。

環境という面で外せないもうひとつは、生産段階の薬剤や添加物の使用です。これらは、地球にとってよくないことはもちろん、生産者、ひいては消費者にも害をもたらすことが懸念されています。化学肥料や農薬で荒れた土地は、元の状態に戻すこともできません。

そのような背景から、エシカル食品では、化学肥料や農薬、添加物などは使わず、できる限り自然な状態の食品生産を目指しています。

では「社会」には、どのような問題があるのでしょうか。

私たちの口にする食品の中には、安い労働賃金により生産されたものも、多々、出回っています。低賃金で雇われる貧困層はどれだけ働いても豊かになれず、富裕層との格差は広がるばかりです。

エシカル食品は、そのような問題を解決することも目的にしています。

フェアトレード食品との関連性

エシカル食品とフェアトレード食品の関係についても、押さえておきましょう。

フェアトレードは英語で「fair-trade」と書き、「公正な貿易」という意味で使う言葉です。

先ほどもお伝えしたように、開発途上国の労働者を低賃金で雇い、安く輸入して売りさばこうという動きがあります。フェアトレードが目指すのは、そのような安い商品を仕入れるのではなく、適正な価格で買い取って輸入し、なおかつ継続できるしくみを作ることです。

そのような視点に立つと、フェアトレード食品は、エシカル食品に含まれるといえるのではないでしょうか。

エシカル食品のメリット

では、エシカル食品には、どのようなメリットがあるのでしょうか。ふたつの項目に分けてみていきます。

健康や環境によい

エシカル食品は、できるだけ化学的な薬剤や添加物などを使わず、環境に配慮して生産されているとお伝えしました。そういった食品をとることは、私たちの体にも余計なものが入りづらいということです。自然を損なうことなく生産された食品は、本来の栄養素を失うこともありません。つまりエシカル食品は、私たちの健康にとっても、地球環境にとってもよいものということです。

この点は、エシカル食品のメリットといえるでしょう。

社会貢献との関連性

先ほど、エシカル食品は労働環境の改善、地域の活性化にも対処できるとお話しました。そういった観点でいえば、エシカル食品には「社会貢献できる」というメリットがあるといえます。

消費者としては、エシカル食品を購入することで、間接的に社会貢献ができます。

エシカル食品の選び方

では、実際、私たちはどのようにしてエシカル食品を選べばよいのでしょうか。ポイントをお伝えします。

エシカル食品の認証と基準

エシカル食品を選ぶ基準のひとつとして知っておきたいのが、認証制度や認証マークです。「エシカル認証」という制度は現時点ではないのですが、食品で運用されている認証制度の中で、覚えておくとよいものを紹介します。

ひとつは「有機JASマーク」です。このマークは、化学的な農薬や肥料を使わないことを気基本とする有機栽培、簡単にいうと、できる限り自然な環境で育てられた農産物に付与されます。有機を「オーガニック」ともいいますが、有機JASマークには厳しい認可基準があり、その基準をクリアしたものしかマークをつけることができません。

もうひとつは「フェアトレード認証ラベル」です。有機JASマーク同様、生産から製造までの過程をチェックし、認定基準を満たしていると判断された製品だけに付与されます。コーヒー、チョコレート、ワイン、バナナなど、輸入が中心の食材を購入するときは、フェアトレード認証マークを確認してみてください。

エシカル食品の購入方法やブランド

エシカル食品に取り組んでいる大手企業やブランドも増えてきました。

エシカル食品に取り組む企業やブランドを見つけて、そこから購入するという方法があります。

 

購入はインターネットが便利です。ポリシーをもってエシカル食品を扱っているサイトでは商品説明に記載されていますので、ぜひチェックしてみましょう。

エシカル食品の今後の展望

さて、今後エシカル食品は、どのように動いていくのでしょうか。今後の展望についてお伝えします。

エシカル食品の普及と認知度

令和元(2019)年度に実施された「「倫理的消費(エシカル消費)」に関する消費者意識調査」(消費者庁)によると、5.5%がエシカル消費に「非常に興味がある」、53.6%の人が「ある程度興味がある」と回答しています。合計すると59.1%となりますが、平成282016)年度は35.9%であり、3年で20%以上も上がったことになります。

このように認知し、興味を持つ人が増えていることから、エシカル食品の普及も今後増えていくことが予想されます。

エシカル食品の未来の取り組み

エシカル食品を手にとってもらうためには、取り組まなければならない課題もあります。

例えば、価格です。農薬や化学肥料に頼らない農産物の生産は、どうしても手間がかかり、価格が割高になってしまいます。だからといって、生産から手を引くというわけではありません。高価格になりすぎないような工夫も、検討されている段階です。

さらに、ひと目でエシカル食品をわかる認証マークの考案に向けた動き、企業として認知度を高めようという動きも出ています。

いずれにしても、エシカル食品に関する取り組みは、今後も広がっていくといえるでしょう。

まとめ - エシカル食品を取り入れてみませんか?

ここまでのことをまとめると、エシカル食品は、現在の日本のみならず、地球に暮らす全世界が抱える問題の一端を解決するものです。そういった意味では、非常に意義のある取り組みいえます。

私たちの健康、未来のためにも、エシカル食品に注目し、取り入れていくことが大切ではないでしょうか。


免責事項:この記事の内容は読みやすさを考慮し、簡潔にまとめさせていただいております。さらに深く知りたい方は、ご自身でさらにお調べいただくことを推奨いたします。

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