日本と海外のオーガニック認証

食品のオーガニック認証比較ガイド:日本と海外の認証について解説

オーガニック食品への関心が高まる中、認証マークは消費者にとって信頼性の象徴とされています。世界にはさまざまなオーガニック認証が存在し、それぞれ異なる基準と背景を持っています。日本の有機JAS認証と海外の主要なオーガニック認証を比較し、その信頼性について考えてみます。

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オーガニック認証の基礎知識

オーガニック食品は、政府や独立団体が定めた厳しい生産基準を満たし、認証を受けることで「有機」や「オーガニック」の表示をすることができます。 

各国のオーガニック認証の特徴

日本の有機JAS認証

有機JAS認証は、日本農林水産省によって運営されており、日本国内におけるオーガニック食品のスタンダードとして広く認知されています。その主な基準は以下の通りです。

  • 原料の95%以上がオーガニックである必要があります。
  • 農薬・化学肥料の不使用: 生産段階でこれらを使用しないことが求められます。環境への負荷を軽減し、土壌の健康や生物多様性を保つことが目指されています。
  • 遺伝子組換え技術(GMO)を使用した作物は禁止されています。
  • 土壌管理: 化学物質を3年以上使用していない土地で生産されることが条件です。
  • トレーサビリティ: 生産から加工、流通に至るまで、サプライチェーン全体での追跡可能性を確保しています。

有機JASは、日本市場で高い信頼性を得ており、国内消費者にはなじみ深い認証マークです。一方で、国際的な輸出市場では、他国の認証マークとの併用が求められる場合もあります。

海外のオーガニック認証

海外では、厳格さや対象範囲の広さで評価されるオーガニック認証が多数存在します。代表的な例を見てみましょう。

USDAオーガニック認証(アメリカ)

アメリカ農務省(USDA: United States Department of Agriculture)が定めたオーガニック認証制度のことで、世界で最も厳しい認証のひとつとされています。USDAオーガニック認証を受けた製品には、認証マークが表示され、消費者にとって安心して選べる目印となります。この認証は、農産物や畜産物、加工食品、化粧品などが厳しいオーガニック基準を満たしていることを示しています。その主な基準は有機JASのものと同様ですが、加えて動物福祉・環境保全にも重点を置いています。

また、USDAオーガニック認証には、100%オーガニック、95%以上オーガニック、70%以上オーガニック("Made with Organic Ingredients" 表示)など、含有率に応じた種類があります。それぞれ基準によりラベル表示が異なります。

EUオーガニック認証(ヨーロッパ)

EU(欧州連合)が定める厳しい基準を満たした製品に与えられる認証制度です。この認証を受けた製品には、緑色の「ユーロリーフ」と呼ばれるロゴマークが表示されます。このロゴマークは、EU内外でオーガニック製品であることを示す信頼の証です。その主な基準は有機JASのものと同様ですが、加えて動物福祉・環境保全にも重点を置いています。

EUオーガニック認証は、農産物、加工食品、畜産物、ワインなど幅広い製品に適用されます。また、EU内で生産された原料か、非EU地域で生産された原料かを明記することが義務付けられています。

ACO認証(オーストラリア)

オーストラリアでは、ACO(Australian Certified Organic)が主要なオーガニック認証機関として知られています。ACO認証を受けた製品には「Bud(つぼみ)」ロゴが付けられます。ACO認証は消費者に高品質のオーガニック製品を提供しています。その主な基準は有機JASのものと同様ですが、加えて動物福祉・環境保全にも重点を置いています。

ACO認証は、食品、農産物、化粧品など広範な商品に対応しており、高い国際基準に準拠しています。国際市場でも広く認知され、多くの国で信頼されている認証です。

ECOCERT認証(フランス)

天然由来成分や持続可能な製造方法を重視し、食品や化粧品に特化した認証です。オーガニック食品が環境や健康に配慮した基準を満たしていることを保証します。エコサート認証の製品には、認証マークが表示されており、消費者が安心してオーガニック食品を選べる指標となります。その主な基準は有機JASのものと同様ですが、加えて環境保全やトレーサビリティにも重点を置いています。

各国のオーガニック認証の違い

各オーガニック認証にはいくつかの違いがあります。主なポイントは以下の通りです。

  • 化学物質の使用基準: EUオーガニック認証やECOCERT認証では、禁止される化学物質や農薬のリストが特に厳密に定められています。
  • 加工食品の規定: USDAオーガニック認証は添加物の種類や加工方法に特に厳しい制限を課しており、ACOもこれに近い厳格さがあります。
  • 生産者支援と透明性: ECOCERT認証、EUオーガニック認証、USDA認証などの複数の基準では、生産者の倫理的な扱いやトレーサビリティにも重点を置いています。
  • 地域特有の基準: 各認証はそれぞれの地域(日本、アメリカ、EU、オーストラリアなど)の農業環境や文化に基づいて基準が異なります。例えば、日本の有機JASは土壌健康に重点を置き、EUオーガニック認証は小規模農場や環境保全に力を入れています。オーストラリアのACOでは干ばつ対策や資源管理が特徴です。
  • 動物福祉: EUオーガニック認証やECOCERT認証は特に動物福祉に関する詳細な規定が充実しており、有機JAS認証は比較的基本的な基準を採用しています。

信頼度をどう評価すべきか?

認証の信頼度は、その厳格さだけでなく、地域の規制や市場ニーズに応じた適応性も重要です。たとえば、下記の通りです。

日本国内市場: 有機JASは、国内基準に完全に適合しており、特に日本人消費者にとってわかりやすい指標です。

国際市場: USDAオーガニック認証やEUオーガニック認証、ACO認証はグローバルに広く認知されており、輸入食品や海外製品の購入時にその信頼性を確認する重要な手段となります。

まとめ - 安全なオーガニック食品の選び方

オーガニック食品を選ぶ際には、認証の目的や購入する食品の産地、使用環境を考慮することが大切です。日本の有機JAS認証は国内での信頼性が高い一方で、USDAオーガニック認証やEUオーガニック認証は国際的な基準として幅広く支持されています。

オーガニック食品選びで迷った際は、認証マークがその品質と安全性の確かな指標となるでしょう。認証を理解し、賢く選択することで、より安心な食生活を楽しむことができます。

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免責事項:この記事の内容は読みやすさを考慮し、簡潔にまとめさせていただいております。また、一般的な情報提供を目的としており、専門的な助言を代替するものではありません。さらに深く知りたい方は、ご自身でさらにお調べいただくことを推奨いたします。

出典

  1. 有機JAS認証(日本): 農林水産省. (n.d.). 有機JAS制度, https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki.html
  2. USDAオーガニック認証(アメリカ): USDA. (n.d.). National Organic Program, https://www.usda.gov/farming-and-ranching/organic-farming/organic-certification
  3. EUオーガニック認証(ヨーロッパ): European Commission. (n.d.). EU Organic Farming,  https://agriculture.ec.europa.eu/farming/organic-farming_en
  4. ACO認証(オーストラリア): Australian Certified Organic. (n.d.). ACO Certification, https://www.aco.net.au/
  5. ECOCERT認証(フランス): Ecocert. (n.d.), https://www.ecocert.com/ja-JP/%E8%AA%8D%E8%A8%BC/organic-farming

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